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2004年4月の日記
4/1〜4/2
二人の夜

4/8
一缶のビール

4/10
コンビニの匠

追悼
裸の大将〜野に咲く花のように〜

4/12
カルピス

4/14
パーソナルコンピュータ

4/20
五段坂だよ、人生は

4/25
ファミリア

4/27
金銭感覚

4/29
日本代表対チェコ代表

★2004年4月の日記

4/1〜4/2 二人の夜

4/1
今から出かけてきます。これから明日の朝まである人と二人っきりです。もうくるおしいくらい二人っきり。何が起こってもおかしくない。それではいってきます。P.M9:30

4/2
さて僕は意味深な言葉を残して、夜の街へと飛び出していったわけです。では続きをどうぞ

トレンチコートを見にまとい愛車のボルボに乗り込む。エンジンの重低音がまるで獣の咆哮のように夜の街にこだましていた。

目的の店に着いたはいいものの、あの人の姿が見えない。
「約束は10時のはずだよな」
僕の左手のオメガの真新しい時計は、黙々と時を刻んでいく。

気持ちを落ち着かせようと、煙草に火をつけた。ゆらゆら上がっていくと紫煙を眺めながら、あの人の到着を待った。

どれくらいの時間が過ぎただろう。店の入り口のドアが開き、あの人は小走りでやって来た。遅刻したのを詫びたいのだろうか?はにかんだ笑顔を浮かべていた。腕時計に目をやると、針はちょうど10時30分を指したところだった。たった30分なのに、僕にとっては永遠とも思える長い時間だった。

「30分かー こいつぅ」
僕はおでこをひとさし指でツンと突いた。遅れやって来た罰はこれで済ませてあげる事にした。

いざ二人っきりになった僕は、いささか緊張していた。見つめ合うと素直におしゃべりできない。サザンのTSUNAMIが頭の中で流れていた。

しかし、もう僕らに残された道はない。朝まで二人で過ごす決意を固めた。

「そろそろ街は眠りに就く頃だろう、けどここからが僕と君の素敵な時間の始まりだよ」声に出して言うのが恥ずかしかったので、僕は自分の心の中で呟いた。そのかわりとしてあの人の方を向いてほほえみを浮かべた。

それから朝まで、激しい夜は続いた。あの人はすぐそこにいる。ある時は僕の横に、振り返ってもすぐそこに。
いつもの生活の中では住んでいる場所さえ知らないのに、今日だけはあの人の気配を常に感じることができる。

「朝日を一緒に見ようね」
僕らはこんな約束を交わしていた。たわいもない約束だ。

僕らは一睡もせずに、朝を迎えた。大きなガラスの向こうには雨に濡れて滲んだ車のテールランプが映っていた。朝日を見ることはできなかったけれども、そんな事はもうどうでも良かった。一緒に朝を迎えることができれば良かったのだ。

もうすぐ僕らはまた離れ離れになる。次はいつ会うことができるかもわからない。

「僕とは、初めてだったから緊張しただろ?」と唐突に聞いてみた。あの人は首を横に振って小さな声で一言「そんな事ない」と返事をした。そんなはずはない、僕があれだけ緊張していたのに・・・。きっと僕のためを思ってついてくれた優しい嘘だったのだろう。

僕はあの人に別れを告げ、愛車のボルボに乗り込んだ。傘を持ってきていなかったので、車に乗り込むまでに少し濡れてしまった。濡れた頭から僕の頬にひとすじの雫が伝わっていった。雨の勢いはどんどん強くなってくる。フロントガラスは雨粒のベールにあっという間に覆われていく。気だるくワイパーのスイッチを入れたが、一向に視界が開けない。

「雨よけのワックスが剥がれたのかよ、今度イオンコートバリア買ってこなきゃな」

そんな独り言を呟いている間にも、どんどん前は見えなくなってくる。なんだか目の前までぼんやりと滲んできた。そしてまた僕の頬にひとすじの雫が伝わっていった。その雫はなぜか雨の雫よりも少し温かかった。







っていうかこれ全部バイトの話だけどなっ

僕と女性との恋のランデブーのように書いていましたが、そんな素敵なもんじゃありません。では順を追って説明していこう。

トレンチコートを見にまとい愛車のボルボに乗り込む。エンジンの重低音がまるで獣の咆哮のように夜の街にこだましていた。
これは全部嘘です。トレンチコートなんて持ってませんし、着たことないもんな。僕の愛車は定価9000円のママチャリです。ただボルボって言いたかっただけなんです。ごめん。

目的の店に着いたはいいものの、あの人の姿が見えない。
「約束は10時のはずだよな」
僕の左手のオメガの真新しい時計は、黙々と時を刻んでいく。
目的の店ってのはアレです。バイト先のコンビニのことですよ。僕のシフトは夜勤なので10時から勤務なのです。あの人ってのは僕と一緒にシフトに入る同僚のことです。山田くんて奴なんだけど、この日が初顔合わせだったんです。なのにさ、10時になっても来ないのよ。電話で確認してみると「寝てました」だってさ。おいおい貴様はのび太ですか?オメガの時計も嘘8000です。そんな高級な時計買ったら破産して路上生活する羽目になっちまうぜ。

どれくらいの時間が過ぎただろう。店の入り口のドアが開き、あの人は小走りでやって来た。遅刻したのを詫びたいのだろうか?はにかんだ笑顔を浮かべていた。腕時計に目をやると、針はちょうど10時30分を指したところだった。たった30分なのに、僕にとっては永遠とも思える長い時間だった。
山田くんは30分くらい遅れてきたんです。僕はまだ彼の顔を見たことなかったので、お店に入って来た時は、お客さんかと思って「いらっしゃいませー」とはじけんばかりのフレッシュさで挨拶したんですよ。そしたらですね、思いっきりお店のバックルームに入っていくの。ああこいつが山田か、僕のフレッシュな挨拶を返せってなもんですよ。本当ねもう早くこいクソガキと思いながら仕事してたんです。時計を見ながらいつになったら山田のウンコが来るのかとくるおしいくらい待ってたわけなんです。

「30分かー こいつぅ」
僕はおでこをひとさし指でツンと突いた。遅れやって来た罰はこれで済ませてあげる事にした。
僕は遅れてきた山田くんを叱咤してやろうと意気込んでたわけなんです。もう胸倉つかんで泣かす勢いで説教かまそうかと思ってたんです。おでこを指でツンなんてもんじゃないですよ。なんなら秘孔でも突いて、ピキーン「ひでぶぅーーーー」とかやってやろうかと思ってたんですが、気の弱い僕は「いえいえ、全然大丈夫ですよ。」とかすげー低姿勢なこと言ってました。俺のバカ、バカ、いくじなし。

いざ二人っきりになった僕は、いささか緊張していた。見つめ合うと素直におしゃべりできない。サザンのTSUNAMIが頭の中で流れていた。
なんかね、山田くんすごく暗いの。僕が話しかけても微妙な間があいてからボソッと囁くような返事がくるわけなんです。僕と山田くんの間には日本とイギリスくらいのタイムラグがあったね。山田くんは眼鏡をかけてて、不精ヒゲとかも生やしちゃってるわけ。あれはお洒落というよりただ剃ってないだけだな。そんな山田くんと見つめ合ったりとかしたら、僕の気が狂うね。山田くんと見つめあって胸がキュンなんてありえない。もしそんなことになったら発狂しておでんの鍋の中に頭を突っ込んで自ら命を絶つね

しかし、もう僕らに残された道はない。朝まで二人で過ごす決意を固めた。
もう陰気な山田くんと朝まで一緒にバイトするしかないんですよ。僕はこの時間の責任者ですからね。本当は泣きながら帰りたかったけど。

「そろそろ街は眠りに就く頃だろう、けどここからが僕と君の素敵な時間の始まりだよ」声に出して言うのが恥ずかしかったので、僕は自分の心の中で呟いた。そのかわりとしてあの人の方を向いてほほえみを浮かべた。
「そろそろみんな寝る時間だろうけど、僕らは朝6時までみっちりバイトだからな。覚悟しとけよ山田の野郎」
僕は面と向かって言えないので、心の中で精一杯山田くんを叱咤していたわけなんです。僕自身表向きはナイスガイな顔をしていたんですけど、心の中では怒りの大魔神と化してました。

それから朝まで、激しい夜は続いた。あの人はすぐそこにいる。ある時は僕の横に、振り返ってもすぐそこに。
いつもの生活の中では住んでいる場所さえ知らないのに、今日だけはあの人の気配を常に感じることができる。
激しい夜ってのは、忙しかったって事です。いつもよりお客さんも多かったし、やらねばならない作業がいくつかあったわけなんです。
それにしても鬱陶しいくらい山田くん。右を見ても左見ても山田君。振り向けば奴がいる。キュートなお嬢さんとかグラマラスなお姉さんとかならいくらでも見続けていられるんですが、山田君は無理。山田くんにはキュートさの欠片も見つけることができませんし、「ああ、山田くんの事を見てるとどうにかなっちゃいそう、私もうダメ」なんてなるはずがありません。本当は僕だってもっと充実したバイトライフを夢見ていたんです。可愛い女の子と一緒のシフトに入るとか。お釣りを渡す時に手が触れ合ってポッと顔をあからめる若槻千夏似の女子高生とか。「仕事中なのにごめんなさい。ちょっと聞いてもいいですか?ええと、あの〜彼女とかいるんですか?」あまりの恥ずかしさに答えも聞かぬまま走り去っていく清純派女子高生とか。実際はおっさんの客ばっかりですからね。「ドキッ!男だらけのバイト大会。ポロリもあるよ」状態ですよ。さすがにポロリはないけどな。

「朝日を一緒に見ようね」
僕らはこんな約束を交わしていた。たわいもない約束だ。
これは朝までさぼらず働けよってことです。あまりに覇気のない山田くんは、下手したら休憩中寝てしまって起きてこなかったりしたら僕が一人で馬車馬のように働くことになりますからね。

僕らは一睡もせずに、朝を迎えた。大きなガラスの向こうには雨に濡れて滲んだ車のテールランプが映っていた。朝日を見ることはできなかったけれども、そんな事はもうどうでも良かった。一緒に朝を迎えることができれば良かったのだ。
そりゃー仕事ですから寝ることなんてできませんよ。僕は仕事に関しては真面目にやってますからね。もうすぐ帰ることができるなーと思って仕事してたわけなんですが、外を見ると土砂降りの雨。おいおい傘持ってきてませんよ。天気予報見てくるべきだった。俺のバカ、バカ。

もうすぐ僕らはまた離れ離れになる。次はいつ会うことができるかもわからない。
やっと陰気な山田くんとお別れできるぜ。ウキウキ気分で来週のシフトを確認してみると、そこには僕と山田くんの名前が隣合ってました。ウギャー死ぬる。

「僕とは、初めてだったから緊張しただろ?」と唐突に聞いてみた。あの人は首を横に振って小さな声で一言「そんな事ない」と返事をした。そんなはずはない、僕があれだけ緊張していたのに・・・。きっと僕のためを思ってついてくれた優しい嘘だったのだろう。
僕と山田くんは一緒のシフトに入るのは初めてだったわけなんです。なんかすげー働きにくかった。僕がして欲しい仕事を山田くんは全然やってくれないの。特にひどかったのは、山田くんがお弁当売り場を舐めまわすように必死で見てたから、「何してんの?」と聞いたら「どれが廃棄になるのか見てました」だってさ。おいおい休憩中のお弁当の品定めしてる場合かよ。どんだけ食いしん坊万歳やねん。頼むから仕事してくれ。全く噛み合わない僕と山田くん、来週もどうなることやら。

僕はあの人に別れを告げ、愛車のボルボに乗り込んだ。傘を持ってきていなかったので、車に乗り込むまでに少し濡れてしまった。濡れた頭から僕の頬にひとすじの雫が伝わっていった。雨の勢いはどんどん強くなってくる。フロントガラスは雨粒のベールにあっという間に覆われていく。気だるくワイパーのスイッチを入れたが、一向に視界が開けない。

「雨よけのワックスが剥がれたのかよ、今度イオンコートバリア買ってこなきゃな」

そんな独り言を呟いている間にも、どんどん前は見えなくなってくる。なんだか目の前までぼんやりと滲んできた。そしてまた僕の頬にひとすじの雫が伝わっていった。その雫はなぜか雨の雫よりも少し温かかった。

これは全部嘘です。イオンコートバリアって言いたかっただけなんです。バイトが終わってやっと帰れると思ったのに、外は土砂降りの雨。なんか最近僕がバイトに入った日はやたらと雨の日が多いような気がする。バイトに行く時は雨が降ってないのに、帰る頃になると決まったかのように雨。泣く泣くビニール傘を買って帰りました。家には傘が四本もあるのに。傘を差していても雨足が強いため、結局はかなり濡れる羽目になってしまった。そうして僕は雨に打たれ、「せっかく仕事を頑張ってきたのに、こんなひどい仕打ちはありえないと」ぼやきながら泣き濡れて帰っていったのでした。

あとがき
山田くんは仮名です。最終的にはなんとか山田くんと会話ができるようになりました。朴訥としてるけど、根は良い奴なんじゃないでしょうか。これが僕にできる精一杯のフォローだ。

4/8 一缶のビール

昨日はビール飲んでました。

たった一缶なのにやけに酔いがまわるなぁ

でかっ!(1リットル缶)

酔っ払って二回ビールこぼしました♪


4/10 コンビニの匠

僕は、おコンビニでおバイトしてるんですよ。セレブが集うような気品あふれる小洒落たスポットです。
この前素敵な出来事がありました。

客「あのー探してるんですが・・・」
僕「何をでしょうか?」
客「勇気」
僕は優しく言いました。
僕「ええ、ありますよ。 ・・・あなたのなかに・・・」
すると、その男のお客さんは彼女とおぼしき女性に言いました。
客「結婚してください」

もう感動したね。号泣した。そして店内の他のお客さんから、パチパチと拍手が湧き起こり、それがもう店中を巻き込んでの大喝采なわけねぇだろ

コンビニでバイトしていることを友人に伝えると、「暇そう」とか「本とか読み放題やん」とか言われることが多いです。けど実際はそんな甘いものではないです。僕が働いているコンビニはなかなか繁盛店でして、けっこう忙しいんです。忙しさなんてものはそれぞれのコンビニでそれはもう天地の開きがあると思います。

世間ではコンビニの店員は機械みたいだと揶揄されることがあります。マニュアルに支配され、誰に対しても同じ対応で、お客さんの事を考えてないと言われることがあります。

けどね、コンビニ店員の僕だって人間。システマティックにそして無機質に作業を繰り返してるわけではありません。お客さんに道を聞かれればしっかり答えますし、品物のありかを訊ねられれば、スマートに誘導します。発注も無い頭を振り絞って、天気やイベントや今までの売れ行きを考慮して数値を入力してるのです。

僕はこのコンビニでもう3年以上働いているので、コンビニの匠と言っても過言ではありません。では匠の立場から、コンビニを語らせてもらいます。

袋詰め。コンビニ店員のもっとも基本的な作業であり、もっとも難しい作業であるかもしれません。
お客さんの品物の組合わせは、もう無限大。その無限大のパターンを、コンビニ店員は決められた袋の大きさに詰めていかなければなりません。相手は無限であるのに対し、こちらは与えられた数種類の袋で対抗するわけです。

まず、お客さんの持ってきた品物を見て、大体の袋の大きさを決定します。
分けて入れるものはないか。温かいものと冷たいものは一緒にいれない。お弁当や惣菜は縦向きにしない。
パンは他のものに押しつぶされないようにする。箸・ストロー・スプーン・ハーゲンダッツには専用スプーンとか、それだけのことを品物を見てコンマ何秒で考えなくてはなりません。もうスピードスケートやボブスレーとかのコンマ0・01秒の争いですよ。

というのは嘘で、実際はレジ打ちしながら、これからどうやって詰めていくかを考えてるわけです。

まぁそんなわけでこちらは袋詰めの計算をしてるわけなんですよ、頭の中で緻密な計算をしてるんです。
けどそんな時にもお客さんは次つぎと

「マイルドセブン2個とアメリカンドッグと肉まん3つ、ああそれとおでんもちょうだい。お弁当はコレとコレ温めて。コレは温めなくていいから。」

とか僕を殺す気か?と言いたくなるような殺人的なオーダーをする人時々もいるわけです。袋詰めのことを考えつつも、しっかりとお客さんの言葉を聞き分け理解しなければなりません。

そして袋詰めは、ただ詰めればいいってもんじゃありません。一番大事なのはお客さんがその袋をもった時に中の品物がバランスを崩さないこと。袋詰めの作業はレジのところでやるので、品物が地に着いているので安定してるわけです。そこで綺麗に袋詰めできるのは中級、プロフェッショナルになってくるとお客さんが実際に袋を持ち上げた時のバランスを考えてつめていきます。そうなってくると必然的に重心の位置も計算しなければならないわけです。思考回路をショート寸前までフル活用して、複雑な数式を計算しピタリと重心を合わせる僕。

そういった袋詰めのテクニックというのは、日々の経験で積み重ねていくもの。一朝一夕には簡単にいきません。何千回何万回と体に染み付かせていくものなのです。

さらに飽くなき向上心を持つ僕は、毎日寝る前に一時間イメージトレーニングしてるね。目を閉じ全ての神経を指先に集中させ、お客さまから次々とこれでもかこれでもかと出される商品を華麗に千手観音ばりに袋詰めしてる自分の姿を。まるで財前教授のようだ。

そして、その成果が発揮されるわけ。最高の出来の袋詰め。会心の一撃。持った時の安定感、そして美しく詰められたそのフォルム。袋詰めはこうあるべきだといわんばかりのもの。もし日本袋詰め協会とかあったら、そこの理事長とかが僕の会心の袋詰めを見て「うんうん理想的な袋詰めだ。袋詰めはこうあるべし ガハハハ。」とか訳のわからないこと言いそう。

自分でもあまりの出来栄えの良さにレジを打つ手の震えが止まらない。
しがないオッサンの客なのに、レジの年齢認証キーを間違えて10代女性のボタンを押してしまうくらい。

けどさ、意外とお客さんそんなこと気にしてないの。僕の会心作を手にしても、ピクリともしない。おまけに「やっぱりこれとこれは、分けといて」とか言われる始末。

僕が語ってきた袋詰めは僕の思い込み、自己満足の世界なのかもしれない。

しかしやっぱりそういうのって大事だと思うんです。繰り返し作業の中に何かを見出し、突き詰めていく。お客さんは気付かないかもしれないけど、自分の持ってる全てのテクニックを駆使してお客さんをおもてなしする。

僕たちはそういったプロのテクニックに囲まれて生活してるんだと思います。スーパーのレジのおばちゃんや吉野屋の店員や水商売のホステスもみんなその分野のプロのテクニックを発揮しているのです。プロのテクニックというものはスポーツ選手だけのものではないのです。僕たちはあまり意識してないけど、それぞれの分野で様々なプロのテクニックがあるからこそ快適な生活が送れているのではないでしょうか。

まぁ色々書いてきましたが、コンビニの匠として一番大事だと思うのは、お客さんが気持ち良く、そして自分も気持ち良くってことです。自分が気持ちよく働くことによって、お客さんも気持ちよく買い物して頂けたらそれが一番。

たまにセクシャルバイオレットなお姉さまのズボンのチャックが開いていてドギマギしたり、化粧品をしゃがんで見てるキュートな女性のローライズジーンズからおパンツがひょっこりカオを覗かせていたりとたまにイベントが発生します。そんなこんなで僕は元気にバイトをするのです。



あとがき
そんなコンビニの匠の僕なんですが、一人暮らしなんでスーパーとかにいくわけですよ。それで買いものしたものを自分で袋に詰めていくわけです。

そしたらね、難しいの。コンビニとはまた要領がちがうわけ、扱ってる品物もスーパーのほうが多いし、生ものとかもあるわけ。そしたらもう僕もお手上げっす。コンビニの匠の僕なんだけど、スーパーではまだ見習い程度です。そしてふと隣を見ると、オバサンがすごい勢いでビニール袋をとってるんですよ。ガァララララララーっとか音させてトイレットペーパを引っ張りだすかのように。そして手際よく商品を袋に詰めていくわけです。

まだまだ僕はスーパーでは匠になれそうもないです。


裸の大将〜野に咲く花のように〜

Naked General(mp3 4.5メガ)*音楽流れます。 裸の大将放浪記の主題歌「野に咲く花のように」のリミックスです。(作曲者のレオパルドンさんから掲載許可を貰ってます。)

メガロゴリス弐〇〇四Naked Generalを作曲されたテクノユニットのレオパルドンさんのblogです。

メガロゴリス弐〇〇四 兵隊の位で言えば大将なんだ!

芦屋雁之助さんが7日に亡くなられましたね。悲しい訃報が続いて寂しい限りです。

「裸の大将放浪記」とても好きでした。あまりテレビを見ない母親もこのドラマは大好きで、主題歌の「野に咲く花のように」をよく口ずさんでいたのを覚えています。

芦屋雁之助さんにとって山下清の役は本当に当り役だったと思います。見た目の風貌も良く似ていて、演じていると言うよりも、山下清本人だと思って裸の大将を見ていたような気がします。

あまりにも当り役だったせいか他のドラマに出ていると、不自然に感じたこともありました。本当に良くも悪くも、山下清が当り役でした。イメージを崩さないないようにそのポッチャリとした体型を維持するために、持病の糖尿病の治療にも専念できなかったようです。自分の生涯を裸の大将に捧げたその役者魂には本当に敬意をもちます。

裸の大将放浪記といえば、水戸黄門のように決まった流れがあるんですよね。おむすびを貰いにいった家庭には何らかの問題があって、それが清の純粋さによって解決される。そして、エンディング間際になると残された絵を見て、「これは、山下清の絵やないかぁー」って気付く人が出てくるんですよね。そして、その頃には清はもう旅立っていて線路の上を歩いている。

「ぼぼぼ、ぼくはおむすびが好きなんだなぁー」
裸の大将には素朴で飾り気のないおむすびが良く似合っていました。おむすびによって出会い、いつの間にか人と人との絆を結びつけていく。

本当に野に咲く花のように、人を爽やかにしてくれるドラマでした。
裸の大将のように、素直に純粋にそんな風に生きていけたら素晴らしいと思います。

芦屋雁之助(本名:西部清)さんの冥福を心からお祈りいたします。

参照URL(SANSPO.COM)
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200404/gt2004040911.html
レオパルドンの高野政所さん、フランク重虎さんありがとうございます。


4/12 カルピス

カルピス

それは甘酸っぱい恋の味

そんなカルピスを求めて、自販機のボタンをプッシュ

ゴトンッ

そうそう、この琥珀を思わせるような高貴な黄色の飲み物を求めていたんだ。

ん・・・カルピスって白くなかったっけ!?

姉さん事件です!

間違いなくカルピスのボタンをプッシュしたわけなんですが、見紛う事なき「午後の紅茶 レモンティー」がでてきやがりました。商品のディスプレイのどこをどう見ても午後の紅茶レモンティーなんて存在しないのに。

ちくしょう、ちくしょう、僕はカルピスが飲みたかったんだ。

甘酸っぱい青春のひとときを感じたかったんだ。

カルピスを飲みながら、「君のハートをダブルクリック」なんて決めゼリフを言いたかったんだ。

なのに、なのに、午後ティーなんて あややなんて

神様、僕は何か悪い事でもしたのでしょうか? 

くそっ くそっ (午後ティーを手に取り、地面に叩きつけようとする。)







(ゴクゴク)

午後の紅茶おいしいなぁ〜


4/14 パーソナルコンピュータ

学校での空き時間に、どうやって時間を潰そうかと考えたのですが、久しぶりに学校のパソコンを使ってみることにしました。

階段を上がり、パソコンが置いてある教室へと向かっていきます。思えば、僕の人生において初めてまともにパソコンと向きあったのはこの我が大学のパソコンなんです。

小・中・高とまるでパソコンとは無縁の生活でした。まあ時代が時代でしたし、パソコンをやっている人の方が少数派だったのでそれは何もおかしくないと思います。友達と遊び、部活のサッカーに明け暮れ、それは健全な生活をしていました。

初めてパソコンに触ったのは、中学の技術の授業だったと記憶しています。Windowsさえインストールされていないパソコンで、真っ黒な画面に先生から教えられたコマンドをただひたすら打ち込むという非常にシュールな光景でした。

先生から教えられたコマンドを打ち込むと、それまで真っ黒で動くことのなかった画面にNIKEのロゴが浮かび上がってきました。おまけに色も変わっちゃったりしてます。それまで何の変化を見せることもなかったディスプレイがコマンドという文章によって命を吹きこまれたかのように動きだすのが不思議でなりませんでした。

しかしこの授業以降、僕がパソコンに触れることはなく、長く暗いパソコン冬の時代は続きました。

そんな僕のパソコンライフに転機が訪れたのは高校三年生の頃でした。我が家にやっとパソコンがやってきたのです。姉の就職活動のために必要だということでした。

初めての我が家のパソコン。しかもインターネットという世界中がネットで繋がるという恐ろしいまでの凶器を持ち合わせているとのことでした。それは僕にとって全く未知の領域でした。しかし、当時の僕は「パソコンなんてオタクがやるもんだろ」という秋葉原の人に殺られかねない偏見をもっていたので、あまり興味を抱くこともなく、たまにお遊び程度でパソコンに触れるくらいでした。

そんな僕なので電源の切り方も知らず、毎回普通にスイッチを押して電源を切ってたもんな。Windowsを終了させずに毎回強制的に電源を切る僕。そのせいで、次回電源を入れるたびにスキャンディスクを始める我が家のパソコン。余分な負担をかけて正直すまんかった。

そんな僕がパソコンでしていたことといえば、花札とアダルティーなサイト巡りくらいなもんでした。パソコンという素晴らしい文明の利器を最低辺の分野でしか活用していなかったと思います。正直すまんかった。本当にズブの素人だった僕は、アダルティーなサイトのリンク先でたらい回しにされ、インターネットの恐さを教えられました。男だったら誰でも一度は経験する厳しい試練です。

おまけに巡回したサイトのURLが残る履歴なんてものはビタイチ知りませんので、履歴を消去して証拠隠滅なんてのもできません。僕の巡回したサイトや検索したキーワードを姉に見られていたとしたら、それはもう恥ずかし過ぎます。もうね、穴があったら挿れたい入りたい気分ですよ。

こんな途方もないパソコン音痴の僕を成長させてくれたのが、大学でのコンピュータ初歩という講義でした。ワードの使い方に始まり、タッチタイピング、インターネットの活用法、など本当に初歩的なことを学ぶ講義でした。けれども、その一つ一つが僕にとって小さな驚きで、次第にパソコンも案外楽しいのかなと思えるようになりました。

コンピュータ初歩の授業を終える頃には、あれだけパソコン音痴だった僕も、ワードで画像や表を加えたそれらしいレポートが作れるようになりました。

パソコンと僕との本格的な付き合いはコンピュータ初歩の講義から始まったのであり、そのきっかけを与えてくれたのが我が大学のパソコンというわけです。今こうやってサイトを開設して、くそつまらない文章を書いているわけですが、パソコンの楽しさを教えてくれたのは大学のパソコンなんです。

そして二年程前のことです。ついに僕はマイパソコンを手にいれたのです。自宅でいつでも好きな時にパソコンを使うことができます。そして、このことをきっかけに僕と大学のパソコンは次第に疎遠になっていったのでした。

話が長くなりましたが、冒頭に戻ります。

そういう訳で久しぶりに学校のパソコンと戯れようと思ったんです。まるで愛犬のように可愛がってあげようと思ってたんです。久しぶりに見た学校のパソコンは何かすごく黄ばんでた。最初は真っ白なそれは綺麗なパソコンだったろうに、今は人の手垢にまみれたのか知らないが、すんごく黄色いの。時の流れというのでしょうか、世間の荒波に揉まれ、苦労してきたのがうかがえます。

もう多分一年以上はログオンしてなかったと思います。久しぶりの再会で様々な感情が込み上げる中、パスワードを入力しました。

「パスワードが違います」

うん、パスワード忘れた。

記憶の糸をたぐりよせ、色んなパスワードを入力してみたんだけど、返ってくるのは「パスワードが違います」という冷酷無慈悲な文字だけ。本当血も涙もあったもんじゃない。お前の中に赤い血は流れているのかと問いたい。

あれだけ可愛がってあげた大学のパソコンなのに、そこにあったのは冷血超人も真っ青のただの機械の箱でした。感情のつけいる隙なんてものはありません。飼い犬に手を噛まれたというか、僕が大学のパソコンに抱いているセンチメンタルジャーニーな気持ちはあっけなく壊されたのでした。

結局10分くらいは粘ったと思います。僕のマイスイートメモリーからあらゆるキーワードを引き出して、入力してみたけど無理でした。最終手段として、「お客様の中にスーパーハッカーはいませんか?」と叫ぼうかと思ったのですが、危ない人だと思われそうなのでやめときました。

こうして、僕と我が大学のパソコンとの久しぶりの再会は実にホロ苦いものとなったのでした。

しかし、皮肉なことにパソコンは使えなかったのですが、当初の時間を潰すという目的は達成されました。人生は上手くできてるもんだ。


4/20 五段坂だよ、人生は

学校へ行くまでの道のりの中で、五段坂という長い長い坂があるんですよ。多分心臓の弱い方とかだったら本当に死ぬんじゃねえのって感じの坂なんです。

名前の通り階段状の坂になっていまして、坂道→平地→坂道→平地ってな具合でそれが五回続くわけです。そんな心臓破りの坂道を通っていかねば学校まで辿り着けないんですよ。「よーし、止まらずに上まで一気に行っちゃうぞー」ともう大車輪の勢いで僕は自転車のペダルを漕ぎ始めました。

あっという間に止まったね。ものの見事に止まった。五段あるうちの一段を登りきらないまま力尽きたからね。それはもう見事なまでの失速。東京国際マラソンのQちゃんばりの失速でした。

まさに人生の厳しさを教えてくれるような坂道です。一段上っては自分のこれまでの人生を振り返り、また一段上っては、数々の過ちを悔い、また一段上っては、己を戒める。頂上に到達するころには、人間のすべての煩悩といったものを超越して悟りをひらけるんじゃないだろうかという勢いです。

そしてふと前方を見ると、小学生の女子が二人いるんですよ。まだ人生を歩みを始めたばかりの希望に満ち溢れた子供達があの死の坂を登ろうとしてるんですよ。これから幾多もの苦難が待ち受けているだろう人生です。

「頑張れ 日本の若人たち」

まだ幼い彼女達も、頑張って自分の足で一歩ずつ力強く進んでいるわけです。なので僕も負けてはいられません。僕は人生の酸いも甘いも噛み分けてきたんですから。

自転車を押しながら、坂道を登っていく僕。あまりの辛さに、もう逃げ出したいと思うこともありました。けれども、「この坂を登りきれば、きっと輝かしい未来が待ってるに違いない」そんな祈りにも似た希望を胸に、力を振り絞りました。

ちょうど五段坂を登り終えた頃にはハァハァとすごい息切らしてんのな。もうボロ雑巾のようになってた。学校へ行く前に既に全ての力を使い果たしてしまっています。

そして、ちょうど小学生の女子たちに追いついたんですよ。っていうかさ、僕さ、すごい息切らしてんの、「ハァハァハァ」ってな感じで。

やばい、やばい。なんか小学生の女子に興奮してハァハァしてるみたいじゃないですか。この光景を近所のマダムとかに見られたら、「変な男性が小学生の女の子を見ながら、興奮してます。」と警察に通報されかねないじゃないですか。

なので、めちゃくちゃ息をするのを堪えてました。僕の体はものっそい酸素不足なのに、必死で息を抑えて平然とした顔を装ってたんです。そしたらさ余計にハァハァしちゃってかなり変態チックになってました。すごく焦ったし、すごく苦しかった。多分顔とか引きつってたと思う。本当死ぬかと思ったわ。

学校でこの日記書いてたんですけど、隣に人がいてすげー書きづらかった。見られてるはずがないんだけど、見られてるような気がして怖いんです。席はたくさん空いてるはずなのに、いきなり僕の隣に女性が座ってきましたからね。驚きですよ。普段なんて、夜道を歩いていたらすれ違う女性がいきなり走りはじめたり、電車とかで僕の隣には女性が座ってこないとか泣きそうな思いをしてるのに。

久しぶりの日記がこんなのでごめんなさい。


4/25 ファミリア

金曜日は「ホームドラマ!」を見ました。「ホームドラマ!」公式サイトはこちら

タイのバス事故で家族や恋人を失った者たち同士が、共同生活を始めようというストーリーなんですが、「君たちのしようとしていることは本当の家族なんかじゃない、家族ごっこだ」というセリフがあったんです。たしかに本当の家族ってなんなんだろう。血のつながりだけではなくて、そこにはもっと大事な何かがあるのかもしれない。

僕にとって家族というものを実感する時があって、どれだけ大喧嘩をしたあとでも、またいつもの関係に戻っている時なんです。自分がとてつもない馬鹿なことをして、死ぬほど怒られたことしても、見捨てずに見守ってくれるのが家族なんだと思う。

僕は、実家にいる時はよく親子喧嘩をしていた。くだらない事や真面目な事、本当にたくさんのケンカをしてきた。相手が家族となると、一歩もひかずに意地になってたような気がする。どうしても素直に謝ることができなかった。相手が家族だと恥ずかしかったのだ。

母親とケンカしたあとで晩御飯抜きの罰を与えられたことがあった。まるで漫画に出てくるような罰だ。ひもじい思いをしながら、自分の部屋に閉じこもり、じっと晩御飯の時間が過ぎるのを待った。

けど、やっぱり育ち盛りの頃なので、当然お腹が空いてくる。僕が冷蔵庫を一人でゴソゴソと漁っていると、母親がやってきた。僕はあからさまに無視して怒ってるんだぞという態度を示していたのだが、母親は

「おにぎり作ってあげようか?」と何事もなかったかのように聞いてくる。

なんだかそれまで、意地になってた自分が気恥ずかしくなってくる。お腹が満たされると同時に自分の荒立っていた気持ちまでも落ち着いた。素直にごめんなさいと謝ることは少なかったが、反省している気持ちは伝わっていたのだと思う。

家族っていうのは、僕にとって感情を素直に表に出せる関係だ。それゆえにケンカが起こることも多い。ケンカをするのは、家族の事を思っているからこそなんだ。そして何の打算もない、何の見返りも期待しない、掛け値なしの愛情がそこにはあるのかもしれない。

でまた、後日懲りずにケンカする。当然晩ご飯抜きの刑に処せられる。で僕は自分の部屋に篭って、時が過ぎるのを待つ。

そろそろいいかなと思い、冷蔵庫を漁りにいく僕。ゴソゴソと冷蔵庫を漁ってみるのだけど、何にもない。僕が手軽に食べれるようなものはビタイチない。けどそろそろ母さんが来て、おにぎりを作ってくれるんじゃないかと捨てられた子犬のように愛くるしく待っていた。

けど、いつまでたっても一向に母さんが出てこないのな。どうしたことかと思って、寝室のふすまを開けてみた。

うん、母さんふて寝してた。まだ時間は八時半くらいなのにさ、もう寝てるのよ。安らかな顔して寝ちゃってんのよ。

「ケンカしてふて寝するなんて、子供かよ」と子供の僕が親にツッコんだ。

それ以来僕はどんなに壮絶なケンカをしようとも、晩ご飯の時はしかめっ面をしながら、黙々とご飯を食べるようになった。晩ご飯抜かれちゃたまらんからな。

今でも、実家に帰る度に親とは良くケンカをしてしまう。全く進歩がないなぁと思ったりするが、少し懐かしい気分にもなる。僕がそろそろ自分の家に帰ろうとすると、親父が駅まで送ってくれる。付いてこなくていいと言うのに母親も付いてくる。

「しっかりしなさいよ」

母親はいつも旅立つ前の僕にこう言う。

表向きはうるさいなという顔して、クールに旅立って行く僕だけど、やっぱりこの一言はズシンと心にくるものがある。いつだって僕の事を心配して見守ってくれているんだ。そんな家族がいると思うと、頑張らなきゃと思う。


4/27 金銭感覚

たばこ1箱270円は簡単に出せるのに、ハーゲンダッツ1個250円はなかなか手が伸びない。

こんな贅沢をしていいものかと悩んだあげく、買わない。

一体どうなってるんだ、僕の金銭感覚。


4/29 日本代表対チェコ代表

コラー!!怒っているわけではなく、チェコの選手の名前です。202cmの大男です。

A代表の相手としては久しぶりのビッグネーム。ユーロ2004でも優勝候補に挙げられているチェコ。チェコっていったら、昔サンフレッチェ広島にいたハシェック(現ヴィッセル神戸監督)を思いだすなぁ。あの頃のサンフレッチェは強かったのに・・・。

前半はチェコがどうと言うより日本の動きが良かった。小野にボールが渡ると安心して見ていられるし、稲本は激しいプレスとタックルで相手の攻撃の芽をつんでいた。田中誠も落ち着いてディフェンスラインを統率できていた。後半は7名も選手を入れ替え、戦力ダウンが否めなかったチェコだけど、ネドベドが多くのチャンスを生んでいたのはさすが。スピードとボディバランスが見事で、あっと驚くようなプレーを見せるわけではないんだけど、一つ一つのプレイに無駄がなくて効果的。バロンドール受賞しただけのことはあります。

チェコの前半のメンバーはやはり豪華。ネドベド(ユベントス)、ロシツキー、コラー(共にドルトムント)、バロシュ(リパプール)、ポボルスキー(スパルタ・プラハ)。どの選手もトップレベルのチームで、しかも中心選手なのだから、現在の日本代表の海外組の実績と比べると、やはり大きな差がある。本当はこのメンバーのチェコと90分間戦ってこそ、日本代表の力を試すことができたと思う。チェコの監督、選手代えすぎ。

結果的に勝ったのは良しとしよう。確かに日本はチームとして上手く機能していた。しかし、中田が戻ってきたらまた中田が出場するだろうし、FWも誰が先発するのかわからない。今の代表はまだ手探りの状態で、チームの一番良い形がないような気がする。基礎となるベストメンバーを組み立てて、そこに調子の良い選手をオプションとして交代出場させるという形を早くつくりあげなければならない。いきあったりばったりの采配ではチームが成長しないのではないのだろうか。ジーコの監督としての手腕もいまいちよくわからない状態で、素直に勝利を喜ぶだけじゃ駄目だろう。

久保は自信を持ってプレーしてるのがいい。一昔前は、代表で全く結果が残せなかったのが嘘のようだ。今はなんといっても勢いがあるし、彼の思いきりの良いシュートってのは大きな武器。もの凄いダイナミックなフォームでシュートするんだけど、本当に渾身のシュートだからね。コースを狙うとかそんな次元じゃなくて、もう力一杯蹴ってるもんな。見てて気持ち良かったわ。思わずうおっ!と深夜にハッスルしてしまった。

上背があってダイナミックなプレーができる上に、どことなくトリッキー。これからしばらくの間は、久保をFWの柱としていくべき。久保の試合後のコメント「うれしかった。勝てたからよかった」。小学生みたいなコメントを残して、無骨に去っていく久保。ドラゴン久保というより、田舎の小学生と呼んだほうが似合いそうだ。これからも彼に期待したい。